きたない心をキミにあげる。









あの日、俺は友達の弘樹と一緒に西区のショッピング街にいた。



『うわ、男2人でこういうとこいるの変じゃね?』


『まあね。あ、圭太。これどう思う?』


『んー。何かクラスの女子がつけてそう』



そんなやりとりをしながら、

女の子向けの雑貨屋で、弘樹のアクセサリー選びに付き合った。



今まで彼女がいたことがない俺は、

『そういうの、今女子高生の間で話題ってテレビでやってたよ』

というような、微妙なアドバイスしかできなかった。



弘樹は今年同じクラスになった友達。


ヘボい俺なんかと違い、男前でいいヤツ。

顔もそれなりに整っているし、まとう空気は時々色っぽさを帯びていた。


もちろんモテる。


だけど、女子からの告白は全て断っていた。


男が好きなんじゃないか疑惑もあったため、

先日、友達の1人が直撃したが、


『違うって。別に今、彼女はいらないだけ』


と言って、弘樹は軽く笑うだけだった。



しかし、その笑顔は心からのものではなく、

固いバリアを張ったままに浮かべたもの。



――これ以上、踏み込んでこないでほしい。



弘樹のそんな意志が伝わってきたため、

『くぅ~、俺もそんなセリフ言ってみてぇ~』と俺がおちゃらけて、会話を終わらせた。



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