カルマノオト
ステージの奥から、カチカチとリズムを刻むドラムスティックの音が聞こえる。


それを合図に始まる、様々な色の歓声とロックミュージック。




―――まだヴォーカルがいないのに。




ステージ上に歌い手はいない。


しかし彼らは、楽しげな笑みを浮かべながら演奏を開始したのだ。




「うん、いいねッ!!

FAbULOUSのライブは、必ずインスト曲から始まるんだよ。」




興奮し頬を紅潮させながら、奏美はそう私に教えてくれる。


そういえば、さっき奏美に聴かせてもらった曲も歌の入っていないものだった。
< 36 / 100 >

この作品をシェア

pagetop