カルマノオト
十年も経てば、当然乗っている車だって変わるだろう。


だけと、自分の記憶の中にあるあの赤いスポーツカーは、ずっと私が憧れていた車だった。




「それでも、外車に乗れるなら充分じゃないですか?

私なんてまだ学生だし、未だに車の免許すら持っていないから。」




遊び呆けて後回しになっていた運転免許の取得。


来年こそはと思いながらも年月は流れ、気付けば今年で大学生活が終わる。




「へぇ、大学生?」




少し驚きながら、石崎先生は私に質問を返す。




大学生に見えなかったのだろうか。


今の私はそんなに大人っぽく見える?
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