カルマノオト
Remembered love

◆1◆

かつて憧れたものと車種は違うけど、そのボディーカラーは今も同じ。


赤いGOLFの助手席に乗り、海沿いの国道を小樽方面へ向かって走る。




「しかし、よくわかったな。

もう十年も会っていないのに。」




車を運転させながら私との再会を喜ぶ石崎先生。




彼の手にはタバコ。


私の知る彼はタバコなんて吸わなかった。


だけど、ただ私が知らなかっただけで、もしかしたら今目の当たりにしている姿が本来の彼なのかもしれない。
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