眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「もう!やっぱり。
だからこんなに痩せちゃったんだ」

ぎゅーっとなつにぃに抱きついたら、みるみるうちに赤くなった。

……というか。
なつにぃって凄く積極的なときと、こういう純情?なときとあるよね?
なんでだろ?

「……やっと」

「ゆずちゃん?」

「やっと、帰ってこれた……」

なつにぃの胸に、顔をうずめる。

「うん。
やっと、ゆずちゃんと一緒にいられる」

ゆっくりと私の髪を撫でる、なつにぃの手は優しい。
凄く、落ち着く。

「指環」

「え?」

「指環、返さないと」

「そうだね」

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