眼鏡とハンバーグと指環と制服と
……ううっ。
夏生、完全に教師モードに入ってる。
そして事実なもんだから、耳が痛い。

「日本史と、……まあ、古文くらいは面倒見るけど。
数学とか僕に聞かれても無理だからね。
自力で無理なら塾とかも考えるし」

「……はい。
でも、塾は行かない。
家のことする、時間がなくなる」

「主婦業は手、抜いていいから。
というか、三年生になったら、僕が積極的にするから、ゆずちゃんはできれ
ば、勉強に専念して欲しい」

「……やだ。
夏生のお世話をするのは、私の仕事だもん」

……夏生のいうことはもっともだと思う。
でも、嫌だ。
私は夏生の、奥さん、なんだから。

「なら、本気で勉強して。
大学、行くんでしょ?」

「……うん」

「ああもう、そんな顔しないの。
この話はこれでおしまい。
ほんとのクリスマスプレゼントはこっち」

「ほんとの……?」
< 188 / 613 >

この作品をシェア

pagetop