眼鏡とハンバーグと指環と制服と
少しいじけて俯いていた私の手を取ると、夏生は小さな箱を乗せた。

「問題集の山がクリスマスプレゼントだなんて、そんな意地悪なことしない
よ。
こっちがクリスマスプレゼント」

「……開けて、いい?」

「うん」

開けてみたら、ピンクの石がついた指環が入ってた。

「夏生……?」

「結婚指環は普段できないでしょ?
これだったら普段使えるし、それに結婚指環と重ねてつけてもいいし」

「……ありがとう」

自分でつけてみようとしたら、夏生から箱を取られた。
ケースから出すと、私の手を取って右手の薬指に嵌める。

「学校のときはダメだけど、普段はなるべくつけてて。
ゆずちゃん可愛いから、他の男(やつ)がそういう目で見てて嫌だから」

「え……?」

「気付いてないの?
クラスの男子とか、結構ゆずちゃん狙いの子、いるよ?
まあ、学校は亜紀ちゃんが睨みをきかせてるから、心配ないけど」
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