眼鏡とハンバーグと指環と制服と
第二章今度聞いてみようかな


なつにぃと結婚することを決めた翌日。

弁護士さんにその旨を報告した。

婚姻届を用意してくれてて、サインだけでよかった。
保証人とかそういうのは、あとは弁護士さんの方でしてくれる、って。
入籍後、遺産なんかの手付きを取ってくれることになった。

……結局。
結婚することは、亜紀ちゃんにも香織ちゃんにも内緒。
どこでばれるかわからない。

一緒に住む、ってだけでもリスクが高いのに。

それでなくても私たちは、普段の買い物を一緒にしたりするので、教頭先生に
目をつけられている。


午後になって。
引っ越し(といっても隣の家に移るだけなんだけど)の手伝いに来てくれた、
亜紀ちゃんのお兄ちゃん——勇(いさみ)さんと歳三(としぞう)さんはちょ
っと心配そうだった。

……ちなみに。
近藤のおばさんは大の新撰組ファンだ。

実は、おじさんと結婚したのだって、名字に引かれたのが一番の理由、って疑
惑があるくらい。

「まあ、夕葵がひとり暮らししなくていいってのは、俺らからしても安心だけ
ど。
でも、夏と一緒ってのがなー」
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