眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「そうそう。
夏さん、あたまの中がお花畑だもんねー」

歳にぃの一言に、その場にいた全員が吹いた。

——勇にぃはなつにぃと同じ年、歳にぃは二つ下の二十六歳。
ふたりとも、なつにぃとも旧知の間柄だ。

「大丈夫だよー。
ゆずちゃんのことは、僕が守るから」

やっぱりなつにぃは、ふふって笑ってる。

「……そういうところが心配なんだ」

勇にぃの言葉に、
「どーしてー?」
とまた、ふふっと笑って首をこてん。

さらに勇にぃにあたまを撫でられて、嬉しそうにふふって笑ってる様をみてる
と……いまさらながら不安になってくる。

……うん。
私がしっかりしないと。


そのあと、亜紀ちゃんも一緒に五人で家の片付けをした。

残すものはなつにぃの家に運んで。
残りはリサイクルショップに頼んで処分。

おばあちゃんが生きてた頃はそんなに広いと感じたことがない家だけど、もの
がなくなると嫌に広く感じた。
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