眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「ゆずちゃん、淋しい?」

亜紀ちゃんたちが帰って。
家の前でポツンと立ってた私の横に、なつにぃが並んで立つ。

「生まれ育った家だもんね。
なくなったら淋しいよね」

……この家は取り壊しになって、あとは公園になるらしい。

「……なつにぃがいてくれるから、大丈夫」

そっと、なつにぃが私の手を握ってくれる。
握り返すと、私の顔見てふふって笑った。

「じゃあ、僕たちの家に帰ろうか」

「うん」

手を繋いで、なつにぃの家に帰る。

今日からここが、私の家。
隣で、よく知ってる家のはずなのに、全然違う家に感じるのはなんでだろう?

……やっぱり不安、なのかな?


日曜日。

なつにぃは朝から用事があるから、って出かけていった。

ひとり取り残されて、何故か途方に暮れてしまう。
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