眼鏡とハンバーグと指環と制服と
夏生は不満そうだけど。
いまはまだ、教えるわけにはいかない。
大体、買い物だって黙っていこうかと思ったけど、きっとあとでわかったら、
夏生、拗ねるし。
仕方ない。


——日曜日。

「じゃあ夏生、行ってくるね。
お昼ごはん、昨日のカレーが残ってるから、温めて食べてね」

「やっぱり、僕も一緒に行ったら、ダメ?」

夏生の首がこてんと倒れる。
いいよ、っていってしまいそうになるけど、我慢我慢。

「ダメっていったよね?」

「……うん。
わかった。でも」

家を出る私に夏生がついてくる。

「だから。
一緒はダメだって」

「わかってるよ。
……歳」

待ってた歳にぃの車に来ると、夏生は運転席の窓をコンコンと叩いた。
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