眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「うん。大丈夫」

「とにかくね。
ゆずちゃんの力になってくれる人、少しでも多い方がいいと思うんだ。
近藤家のみんなだけじゃなくて」

「でも、お祭りの日じゃなくても」

「いい機会だと思うんだ。
奥さんとして紹介できなくても、家族みたいなもの、じゃなくて、家族なんだ
って世間に示す」

……なんか夏生、焦ってる気がするのはこのあいだのことがあったから?

「……うん。わかった。
夏生がそうしたいなら」

「ありがとう、ゆずちゃん。
着物はおばあちゃんと紫子さんの形見があったでしょ?
あと、僕の母さんの形見も何枚かあるし。
僕はよくわからないから、近藤のおばさんに相談して決めて?
買わなきゃいけないときは、お仕立ての時間がいるから、早めにいってね?」

「うん」

……ひと月近く先のことなのに、すでに緊張してきた。
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