眼鏡とハンバーグと指環と制服と
第二十章終止符を打った
……ここ、どこだろ?
亜紀ちゃんちじゃ、ない。
あれからどうなったんだろ?

……あ。

夏生のにおいがする。
ここ、夏生の部屋だ……。

「ゆずちゃん、目、覚めた?」

「……なつき……」

ぼーっと見上げた先には、心配そうな夏生の顔。

「うん。
まだ寝てていいから。
熱、上がってきてる」

「……どうしよう……私のせいで……夏生……」

涙で夏生の顔が滲んで見えたと思ったら、ちゅってキスして私のあたまを撫で
てくれた。

「気にしなくていいから。
大丈夫。
もうぜーんぶ片付いたからね」

「……なつ、き……?」

ふふっ。

いつも通りの、ゆるーい夏生の笑顔。
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