眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「泣かないで。
今日はもう眠って?明日、全部話すから」

「……うん」

夏生の指が、涙を拭ってくれた。
もう一度キスすると、ゆっくりと私の髪を撫で続ける。

……うん。
いまは眠ろう……。


朝、目が覚めると八時を回ってて焦った。

夏生はまだ、私の隣で眠ってる。

「……夏生、夏生、起きて。
遅刻だよ」

「ん……。
ゆずちゃん、おはよう」

慌てて夏生を起こすと、なんかのんびりしてて……時間、わかってないのか
な?

「夏生、学校、遅刻だって」

「あー、いいんだよー。
僕、今日から自宅謹慎だからー」

「えっ!?」

「よかったー、今日は熱、下がってる。
ゆずちゃん、きつくない?」
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