御曹司と偽装結婚はじめます!
「えっ……」

「どうせコイツが心配で眠れないだろ?」


彼は子猫の頭を撫でながらそう言う。
その通りだ……けど、猫だけじゃなく私までというのはさすがに気が引ける。


「でも、申し訳ないので……」

「車のシートが濡れているから送ってやれない。明日には乾くだろうから……」

「送っていただくだなんて、そんな」


そんなことまで気にしてくれている彼に驚きつつ声を上げると……。


「さすがにこんな夜に女の子ひとりで放り出せない。それに明日病院に行くだろ?」

「はい」


もちろん、子猫を拾ったのは私なんだから私が連れていくつもりだ。


「明日、仕事が休みだから一緒に行くから」

「いいんですか?」


彼は私の手から哺乳瓶を取り上げ、「もう寝そうだ」とつぶやく。


「ホントだ」


お腹が満たされて眠くなったのか、子猫は目を閉じている。


「コイツ、かわいいしな」
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