白と黒〜2つのリストバンド〜
「カンナ」


「…ん…?」


「何があったからしらねーけどな、大丈夫だよ。」


空はとても優しい声で目で私に言って私の頭に手をのせた。


「………」


「大丈夫」


とても優しく空が私の頭をなでるので、私の目からは涙があふれていた。


「……っ……っ……っ」


小さな嗚咽が体育館に響いた。


私が泣いている間、空はずっと私の頭をなでていた。


その日空は私を家の前まで送ってくれた。


「じゃあな」


ひとり暮らしの一軒家の前で空は私の頭を撫でた。


「うん………明日頑張ってね」


「おう、見にこいよ」


「もちろん」


私はそういって家にはいろうとした。


「栞奈!!」


私は空に呼ばれて振り返った。


「明日、俺がお前に力をやる。」


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