白と黒〜2つのリストバンド〜
振り払おうとしても空の力が強くてとても振り払えない。


空は騒ぐ私を無視して空き教室のドアを開けて私を中に放った。


ガチャ


中から鍵をかけると空は私の方を見た。


「…こんなとこに連れ込んで何がしたいの?」


「お前なんで俺のこと避けてんの?」


空は私に近づきながら聞いた。


「別に、避けてなんか」


私も空が近づく度に後ろに後ずさった。


「今日一日避けてただろ」


空の方が歩幅が大きいせいか、距離がどんどん縮まっている


「避けてないって…」


「相田に嘘までつかせて?」


「………っ………」


気付いて…


トンッ


「ぁ………」


後ろに下がり続けた結果私は壁に追い込まれてしまった。


空は壁に手をついて私の逃げ道を塞いだ。


「なぁ栞奈…」


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