白と黒〜2つのリストバンド〜
空の声が耳元で響いた。


「そんなに俺のこと意識してんの?」


空は楽しそうに笑いながらいった。


「……っ……ちがっ…」


私の小さな否定に空はより一層楽しそうに笑った。


「へぇ?」


空のたった一言がとても色っぽくてメガネの向こうの目はとても楽しそうだった。


やっぱりからかってるんだ…


そう思うと胸が痛くて鼻がツンとした。


「………からかわないでよ」


「は?」


私が静かに言った言葉に空の眉間にシワがよった。


「私をからかって楽しんでるだけでしょ?悪いけどアンタの遊びに付き合うほど暇じゃないの。」


私がそう言うと空は黙り込んだ。


私は空の横を通ってドアに歩き出した。鍵を開けようとドアに手をかけると…


グイッ


「!?」


空に手を引っ張られ、振り向かされると


「んっ…」


空と2度目のキスをした。


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