私の彼。
「アカネの歯ブラシはこれ。で、歯磨き粉はこれ。お風呂は好きに使ってくれていいから。」

先輩が差し出したのはウサギの歯ブラシだった。

「かわいい…。」

無意識に口から出た言葉に先輩は目を輝かせた。

「本当?よかったー。茜のこと考えてたらこれいいなーって思ったんだよね。」

無邪気に笑う先輩。気のせいかな、学校にいるときよりも自然に笑ってる気がする。

こんなふうに笑うのが先輩なの?

まだまだ知らないことばっかりだったんだなぁ。
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