プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔

お父さんの様子がおかしなときがあったことをふと思い出した。

清美おばさんから、いよいよ相手が決まったと報告を受けた夜のことだ。
私の部屋に来て、仕事はどうだとか、祐希とはどうだとか。
今にして思えば、当たり障りのない質問の中に、別の意味が込められていたのかもしれない。

本当は、単刀直入に祐希との“関係の変化”について聞きたかったんじゃないか。
ふたりに男女としての進展はないかと。

そもそも、お父さんが祐希の元で私を働かせたのも、そういった狙いがあった可能性がある。
私が働きたいと言ったときに、お父さんがなにかいいことでも思いついたような表情をしたことを思い出した。

祐希と接する時間を増やして、私たちがなんとかくっつかないものかと。

お父さんもなかなかの策士だ。
普段はまったくその気配すらないのに。


「……ですが、清美さんは? 清美さんはなによりも今日のことを望んでいましたよね?」


祐希が質問をぶつける。

その通りだ。
お父さんの事情はわかった。
でも、それは清美おばさんには当てはまらないことだ。


「もちろん最初は怒っていらっしゃいました。日菜子様が大変なことをしでかしたと」

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