嘘つき天使へ、愛をこめて


「……もしかして、サリは」


ふと、俺は顔をあげて大翔さんを見た。

相変わらず電話は繋がらないらしい。


つかつかと歩み寄ると、俺はどこかで確信をしながら大翔さんの腕を掴む。


「大翔さん」

「んだよっ!」

「サリは、死ぬんですか」

「っ……!お前っ!ざけんなっ!」


ガコッ!

避ける間もなく、思い切り大翔さんの拳が頬へ食いこんだ。


ああ、やっぱり。

その反応で、俺は確信する。


一瞬目の前に星が弾けるが、俺はその場で踏みとどまって、真っ直ぐに大翔さんを見つめた。


「サリが消えたのは、俺たちを傷つけないためじゃないですか」

「はあ!?」

「大切なもんを失うのは何より傷つく。サリはそれを分かっていて、そうなる前に俺たちの前から消えた」

「てめぇ……さっきからのうのうと……っ」

「のうのうとなんてしてねえよ。俺は、サリが好きだ。例えぶん殴られても、殺されても、サリを連れ戻す覚悟で言ってる」


いつまでも、逃げているわけにはいかない。


俺の態度に大翔さんは頭が冷えたのか、はっとしたように目を見開き、苦しそうに眉根を寄せた。
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