嘘つき天使へ、愛をこめて


「俺たちが背中を預けられる総長は、お前しかいないよ。雅」


柊真の言葉に、俺ははっと顔をあげた。


「お前は強い。そして優しい。誰よりも痛みを知っているからこそ、恐怖だって人一倍あるかもしれない。不器用で、人を愛するってことが難しいかもしれない。でもな」


柊真と櫂は目配せし合うと、頷いた。


「きっとサリちゃんは雅のことを待ってる」

「……俺を、待ってる?」

「サリは倒れる前に言っていた。雅は不思議な人だ。最初からよく分からないと」


それは、どういう意味だ?


「サリちゃんはちゃんと感じてたんだよ。お前が本心を隠してることも、そうやってひとり抱え込んでる闇があることもな」

「だからこそ、待っているんじゃないか。お前の方から歩み寄ってきてくれるのを」


サリが俺を待っている。

本当にそうだろうか。

メンバーの中の誰より、嫌われているような気しかしないのに。


……ああ、でも、そうか。


俺はサリが好きだ。

どうしようもなく、惹かれてる。


惹かれてしまっているから、失うのが怖くて近づけなかった。

大切な人ほど失うと傷も深い。

俺はそれをよく知っている。
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