嘘つき天使へ、愛をこめて
〝胡蝶蘭〟なんて名前つけているくせに。
それを求めるのなら、もっと別の形にすればいい。
闇の中でもがいていたあたしがこうして生きてこられたように、いくらだってその方法はあるのだから。
大翔がどうして胡蝶蘭のことをあたしに話し、この地へ行けといったのか。
胡蝶蘭という族がそんなにも強さを極めているのはなぜなのか、彼らは最終的に何を
求めているのか。
ただ、わからなかった。
けれど、わかる気がした。
だから、確かめに来た。
「……ホント、馬鹿みたい」
さてあたしは、こんな裏世界で生き残れるのだろうか。
せめてそのタイムリミットが来るその時までは、この世にいたいと思うけれど。
ポケットから四角い半透明の小さなケースを取り出して、その中に入れてある十数粒の薬を全て口の中へ放り込んだ。
さきほど自販機で買った水で喉の奥へと流し込み、小さく息を吐く。