別れたいのに愛おしい~冷徹御曹司の揺るぎない独占愛~
「そ、そう」

朝からそんな色気を出さないで欲しい。
変な気分になったらどうするの?


私は煩悩を振り払う為、話題をかえることにした。


「今日の発表会で部長昇進のことが決まるでしょ? 奏人が選ばれると信じてるよ」

「そうだな、やる事はやったし後はじたばたしないで結果を待つだけだな。理沙のフォローにも感謝してる」

「当たり前のことだよ、私は奏人のアシスタントなんだから」

それに恋人なんだし。

「初めは義務で仕事をしてた。だけど理沙や他の同僚達と協力して仕事をしていく内に、仕事自体が面白くなった。成功させたい、この会社をもっと良い会社にしたいと思うようになった」

「……さくら堂が好きになったんだね。私も会社が好き。奏人が大好き。これからも力を合わせて頑張ろうね」

私はどんな時でも奏人の味方でいるから。

そんな気持ちが伝わったのか、奏人が嬉しそうに微笑んだ。

どうか上手くいきますように。

そう願いながらふたりの朝ごはんを用意した。
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