別れたいのに愛おしい~冷徹御曹司の揺るぎない独占愛~
「弟達も理沙に会うのを楽しみにしてる。仲良くしてやってな」

「うん、もちろん」

「家は狭いのに家族はいっぱいだから、理沙は驚くと思うな」

「大丈夫だよ、にぎやかな家って楽しそうで好きだよ」

「結婚式の日程とかも話さないとな」

「うん……あれ?」

結局、今日結婚の挨拶をする流れになってない?

最近、こんな風に奏人に上手く丸め込まれることが多い気がする。

ちょうど赤信号で止まったので、私は奏人に抗議の視線を送り、文句を言ってやろうとした。

だけど口を開く前に、素早くキスをしかけられる。

こんな人目があるところで、なんてことをするの?

そう言いたいのに、奏人の幸せそうな微笑を見ると何も言えなくなった。

「理沙、好きだよ」

惚れた弱み。

「私も、好きだよ」

奏人がいてくれるなら、それでいいって思ってしまう。

「ふたりで幸せになろうな」

それは嘘偽りない心からのプロポーズ。

そう信じられるから。



『プロポーズ、そして嘘』end
< 208 / 208 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:604

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

失恋したので復讐します
  • 書籍化作品

総文字数/108,494

恋愛(その他)64ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
山岸千尋はある日社内恋愛中の恋人に手ひどく振られて失恋してしまう。 落ち込んでいるときに「一緒に復讐しない?」と誘ってきたのは、いつもクールで毒舌な同僚だった。 ※ベリーズ文庫2025年10月刊で書籍化予定の作品です。 書籍版とは内容と結末が異なります。ご了承ください。
無口な脳外科医の旦那様、心の声(なぜか激甘)が漏れてます!
  • 書籍化作品
表紙を見る 表紙を閉じる
お見合い結婚してあと少しで一年なのに初夜もまだの仮面夫婦なふたり。 関係改善に努めていた羽菜は、ついに見切りをつけて離婚を夫に告げる。 ところが離婚を喜ぶはずの夫が断固拒否する。 なんとか頑張る羽菜はあるきっかけで夫の本音を知ることになり…… 加賀谷羽菜 資産家の娘で現在は主婦 加賀谷克樹 クールで無口な脳外科医  ※ベリーズ文庫2025年6月刊で書籍化予定の作品ですがこちらは改稿する前の原稿になります。 書籍版とは(後半の)内容が異なります。ご了承ください。
いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!
  • 書籍化作品
表紙を見る 表紙を閉じる
園芸を学ぶためにイギリスに留学していた麻衣子は、友人のパーティーで外交官の裕斗と出会い恋人同士になる。 結婚の約束もしていたけれど、不本意ながら別れることに。 数年後、麻衣子は日本で三つ子を出産してシンブルマザーになっていた。 ※ベリーズ文庫2025年3月刊で書籍化予定の作品ですがこちらは改稿する前の原稿になります。 書籍版はエピローグ含めてかなり加筆修正していますのでこちらのサイト版とは内容が異なります。ご了承ください。 2025年2月18日公開 柚子っ子さま。鮭ムニエルさま。レビューありがとうございます!

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop