ポイントカードはお持ちですか?



━━━━━翌月曜日。


晴れ晴れすることも諦めた私は、じっとりとした気持ちで風見さんと伊月君を観察した。

二人とも、これといった変化はない。

例え付き合うことになったとしても、職場でこれ見よがしにイチャつくような人たちでもないからな。

「風見さんと伊月君、どうなったのかしらねー?」

同じ疑問を持つ奈美さんの耳にも、特段の変化は聞こえてきていないようだ。

「どうなんですかねー」

「咲里亜ちゃん、今日境界立ち会いじゃなかった?伊月君と」

「そうです。雪降る前にやってしまわないと後が大変なので」

「その時ちょっと聞いてみてよ」

「ええー!無理ですって!あの伊月君ですよ?簡単に答えると思いますか?」

「意外と風見さんより攻めやすいと思うのよね。あっさり『付き合ってますよ』って認めるんじゃないかな?風見さんの方が恥ずかしがってはぐらかされる気がするの」

そうかもしれない。
逆に恥じらう伊月君なんて想像できない。

だけどそれに対して私は何てコメントすればいいの?
「よかったねー。お似合いだよー」って?白々しく?

しかも伊月君と私って、微妙な距離感が続いているわけで、向こうだって複雑だと思うのよ。

「聞ける空気だったら聞いてみます」

そうでも言わないと奈美さんも落ち着かないだろうから、また適当に言ってしまった。



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