ポイントカードはお持ちですか?
「わかった。もし俺たちが別れるようなことがあったら、俺が仕事を辞める」
「・・・は?」
「もちろんその時俺たちの間に子どもがいて、養育費を支払わなければならない、という事情があったら別だけど。子どものことは第一に考えよう」
「・・・子ども?」
「他に何か不安はある?『かわいくない年下男子』は嫌?」
あまりの急展開に、ある意味すべてが不安です!
「あと、何ポイントくらい残ってるの?」
「何が?」
「咲里亜さんのポイントカード。100ポイント貯まったら結婚できるんだよね?」
・・・・・・あー、いつかそんなこと言ったような気もする。
私の適当発言で言質を取るのはやめてほしい。
「そんなのいちいち数えてないよ」
「だったら今すぐ発行して。100ポイントくらい俺が全部埋めるから」
いつしか私の答えなんて全部ねじ伏せにかかっていた伊月君は、やっぱり返事も待たずに今度はやさしいキスをしてきた。
「そういえば、カード発行時にボーナスポイントが付くことがあるなー」とじわじわ幸福感に支配される頭でそっと10ポイントプラスした。