ポイントカードはお持ちですか?


「わかった。もし俺たちが別れるようなことがあったら、俺が仕事を辞める」

「・・・は?」

「もちろんその時俺たちの間に子どもがいて、養育費を支払わなければならない、という事情があったら別だけど。子どものことは第一に考えよう」

「・・・子ども?」

「他に何か不安はある?『かわいくない年下男子』は嫌?」

あまりの急展開に、ある意味すべてが不安です!

「あと、何ポイントくらい残ってるの?」

「何が?」

「咲里亜さんのポイントカード。100ポイント貯まったら結婚できるんだよね?」

・・・・・・あー、いつかそんなこと言ったような気もする。

私の適当発言で言質を取るのはやめてほしい。

「そんなのいちいち数えてないよ」

「だったら今すぐ発行して。100ポイントくらい俺が全部埋めるから」

いつしか私の答えなんて全部ねじ伏せにかかっていた伊月君は、やっぱり返事も待たずに今度はやさしいキスをしてきた。

「そういえば、カード発行時にボーナスポイントが付くことがあるなー」とじわじわ幸福感に支配される頭でそっと10ポイントプラスした。



< 128 / 143 >

この作品をシェア

pagetop