レンアイ前線、雨のち晴れ【LOVEドロップス参加作品】


「中瀬くん……張り切って今度来るって言ってた」

「うん……」


やっぱり。

好きだもんね、大勢で何かをするの。


付き合い始める前、サークルの初イベントの時にも言っていた。

「オレ、みんなで盛り上がる雰囲気が好きなんだ」って。


だから、イベントの度に中心になって計画を立てていた。


とても嬉しそうに……。



「変わってないね……」


全然変わってない。

私がいなくても、毎日を楽しんでいるんだ。


そう思うと、1年も引きずっている自分がなんだか惨めだった。



「梓。声掛けてくれたのは嬉しいけど、私やっぱりやめとくわ……」

「しずく……」



先輩たちには申し訳ないけど、辛いんだ。


君と会うのが……辛い……――。




カフェのラジオからは、君が大好きだったバラード曲が淡々と流れていた。













< 14 / 47 >

この作品をシェア

pagetop