縁側で恋を始めましょう


大人の男へと成長した暁に私の心が追いつかない。
それなのに、暁に触られたりキスされたりすることは嫌じゃなかった。

日に日に暁が私の中を占領してくる。
でも、暁のように『幼馴染』の枠を飛び越える勇気がなかった。
今までの関係が心地よかったから、男と女になることで、その心地よさが違うものになってしまいそうで怖かったんだ。
本当は、少しの隠し事にも傷つくくらいに、暁が心を占領していたくせに……。
暁の全てを、知らなくてよいと思いつつも、本心は、知りたかった。
暁のことが知りたかった。

教えてほしかった。
だって、私……暁を好きだから。
だから、知りたかったんだ……。












< 89 / 125 >

この作品をシェア

pagetop