縁側で恋を始めましょう


暁の実家に行く前に、自分の実家に立ち寄ることにした。
特に連絡はしていなかったので、外の門を開けると、庭にいた母がとても驚いていた。

「ビックリしたー! 珍しいわね。お帰り」
「ただいま」

父は暁の父とゴルフに出かけているようで留守だった。
相変わらず仲がいいなぁ。母同士もよく出かけているから、それぞれ気が合うのだろう。
家のなかに入って、リビングの椅子に座ると母が心配げに見つめてきた。

「どうしたの、急に。何かあった?」

そりゃぁ、急に帰ってきたら心配になるよね。私は笑顔で首を横に振った。

「いや、特に変わりはないんだけどね。……あのさ、お母さんは暁が小説家だったって知っていた?」

出されたお茶を飲みながら聞くと、思いもよらなかった質問に母は目を丸くし、「なんだ、そんなこと」と笑われた。

「何、今更」
「だよね―……」


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