雪の日に祝福を…。
  


「知ってた。」


 世界が壊れる音がした。


「悠葵…結婚式の日がどれだけ大切な日か言ったわよね?それなのにこんな仕打ちするなんて。」


「本当に申し訳ないと思ってる。ちゃんと慰謝料払うし何でする。目障りなら転職する。」


「転職してどうするの。赤ちゃんが生まれるのに。」


 常識的な答えをつい返してしまった。


「じゃあ、好きな額提示してくれ。」


「悠葵。お金の問題じゃないのよ。なんで解らないの?」


「じゃあ、どう償えばいい?」


「女に逢わせて。そうしたら別れてあげる。」


「だから。それは、出来ないんだって。」


「じゃあ、私を殺して。それでチャラにしてあげる。」


「馬鹿なこと言うな!」


 両腕を掴んで怒鳴りつける。


「じゃあ、なんで浮気なんかしたのよ。」


 とうとう本音と涙が溢れてしまった。


「ごめん。ごめんっ、月依っ!!」


「大っ嫌い!!死んじゃえ!死ねぇ━━━!!」


 抱き締められながら人混みの中で叫び続けた。


「ごめんなさい・・・お姉ちゃん。」


 絶望の続きがあるなんて・・・・・・。


  
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