雪の日に祝福を…。
◆10◆ 忍び寄る別れの魔の手
  


 私は、気が付いていなかった。終わりが近づいていることに。
 2人の誓いと決意さえ夢物語りになると・・・。


 《 《


「月依さん。」


「千明社長。おはようございます。」


「おはよう。息子と直接話してみようと思ってるよ。」


 会社で久しぶりに逢った社長からそう告げられたが2人の誓いと想いを確認した今では何も怖くなかった。


「そうですか。」


「君には、悪いがあの子は返して貰うよ。」


 耳打ちしていなくなる。


「(私たちは、別れません。)」


 心でそう返しながら見送った。


「若狭。」


「何?」


「瑠々が入院してる。」


 突然の知らせだった。


「そう、それで?」


 もう他人委になっていたので特にどうこうする気はなかった。


「病院に顔出してくれないか?」


「なんで?どっちの両親も居て倖せでしょう?」


 下らない話しだと解り歩き出す。


「逢いたいって言ってるんだ。」


「今更逢って何話すの?普通の姉妹の関係は、築いてないのに。」


「でも、逢いたいって・・・・・・。」


「よくそんな話しを軽く出来るわね。」


   
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