この関係を壊してでも伝えたいこと
「て、あこちゃんは?」
「早々に当たって外野行きですよ」
くらくらする視線を遊に向けると、私を少しも見ないでボールを追いつづけている。
アコちゃんって私より運動できない子だったのね…
キョロキョロとコート外に視線を飛ばしていると背中で思いっきりボールを受け止めてしまった。
「…い、痛い」
「よそ見してるからー」
私に当たって跳ねたボールを遊が拾ったところを見届けてコートの外へでた。
暇だなぁ。
遊は内野にいるし、凛ちゃんは男子チームだし、ちーちゃんとは離れちゃうし。
暇さに負けて校庭から少し離れた木の影でうとうとしていると、幸せな気持ちになってきた。
凛ちゃんもよく授業中寝てるけどこんな気持ちなんだね。