この関係を壊してでも伝えたいこと

「あぁ、よかった…」


掃除用具を片付けた時に落としたんだね…


落し物は掃除用具を入れているロッカーのすぐ手前にあった。


もう無くさないようにしなきゃ。



さて、凛ちゃんも待ってることだしさっさと戻りますか。



ドアが開くのが先だったのか、私が振り返るのが先だったのか。


黒い塊が鈍い音を立てて床に叩きつけられた。


___バタン!!!!!



「うっ…っ、開けてよ!!」


塊はすぐさま跳ね起きて意図的に閉ざされた扉をガンガンと叩き出した。



遠ざかる笑い声と足音。



悔しそうな顔はどんどんと絶望色に染まっていく。

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