夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】

「っ…!
いてっ…シュウ、そこ…いてぇから触んな…。」

「えっ!?
怪我…?怪我してるんですかっ…?!」

顔を歪めて痛がる俺を見て、
シュウはますます慌てて始める。


……違う。
怪我じゃ、ないんだよなぁ…。
アカリとヤッて思いっきり引っ掻かれた。

…とは、さすがにシュウには言えず。


「…怪我じゃねぇよ。
心配いらねぇから、少し寝かせて…。」

俺はそう言って、
肩を掴まれていたシュウの手を退ける様に握った。

すると、その手がビクッと揺れる。
俺は目を開けてシュウを見た。


「……わり。帰った方がいいか?」

「///……いえ。」

思った通り。
俺に手を握られて真っ赤になったシュウが顔を逸らす。
< 31 / 355 >

この作品をシェア

pagetop