夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】

8月15日から始まるヴァロンの長期任務。
ハッキリ言って依頼主アラン様が彼に突き付けた仕事は、私にも終わりが予想出来ない無理難題。

……けど。
彼を見ていると一緒に見たくなる。
ヴァロンがその難題に挑む姿を、夢を叶える姿を見たくなってしまう。

そして……。


「……君なら、やってのけるんでしょうね。」

私が見つめると、ヴァロンがフッと首を少し傾けて微笑んだ。

不思議だ。
その表情を見ると何も不安に感じない。
数日前の悩んでいた彼はもういなくて、必ずみんなの想像を超える成果を上げてくると、誰も信じて疑わないだろう。


「アカリさん、今朝アルバート様の別荘へ発ったんですよね?
送らなくて良かったんですか?」

私はてっきりヴァロンが自分自身で別荘へアカリさんを送り届けて、そのまま任務地へと向かうと思っていた。

…しかし、彼はその役目をレナとレイに託した。
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