プルシアンブルー“俺が守る”
ついで、とは簡単に言ってくれると矛桶は思うが仕方がない。



「左隈と岐微浜は、殺人と窃盗の容疑で手配中の被疑者が一酸化中毒死した状態で発見された。詳細を聞いてきてくれ。鳴鎧と毯出は、不法投棄で捜索中だった重要参考人が遺体で発見され捜査中なんで、応援に行ってきてくれ。桧亨は、殺人容疑で現在取り調べ中の被疑者の様子を見てきてくれ。」



頼むぞ。と超坊の言葉と共にそれぞれ準備を始めた。



「爽築。」


「だから、名前で呼ばないでって言っているじゃない。」



取り調べ室に向かう爽築を呼び止める。



「俺はまだ納得していない。」


「理由はこの間言った通り。それ以上でもそれ以下でもないから。あまり待たせると毯出くんが怒るよ。」



確かに、と思った一瞬に、爽築は呼びに来た取り調べの捜査員と話をし始めてしまっていた。




朝はおはよう、夜はおやすみ、

毎時間毎日その度に電話やメールをするのはとても面倒だ、

だから毎時間毎日隣で言わせてくれ。



格好つけて言った告白を、はにかみながら嬉しそうに受けてくれた爽築が、理由すら告げずに連絡を断つなど。


喝宥はどうしても納得がいかなかった。
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