プルシアンブルー“俺が守る”
貸別荘から帰る途中で車ごと崖から転落し死亡した。


向かった目的は不明だが、多額の現金が帯封と共に車内に散乱していたことから、宝石を売りさばいた後のようだ。



「おう、栃元戻っていたか。宝石、ホワイトジルコンで間違いない。詐欺で送検するぞ。」


「分かりました。それと貸別荘の借り主なんですが、防犯カメラに映ってはいたのですけど名前も住所も偽物でした。業者の話では見たことが無い顔だったと。」



「自損ではなく殺人の線も出てきましたね。担当所轄に問い合わせをお願いします。」



「「分かりました。」」



事故死で片付けられた案件の資料が残っているか、期待は薄いが爽築はとりあえず賭けてみる。



「みんな戻っているな。」


「課長。矜悉胥徨、俊麗夫妻の不審死事案、関係者が自損で死亡しているのですが、殺人の線が出てきました。」



二人が調べてきたことを交えながら、超坊へと報告すると…



「分かった、担当所轄には俺から話を通しておく。…ちょうどいい。その貸別荘近くで起きた硫化水素による中毒死の被害者の自宅がうちの管轄内でな、ついでに引き継ぎしてこい。」



担当案件が一つ増えてしまった。
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