プルシアンブルー“俺が守る”
「ゆ…ずる…?」



起床時間よりも早くに目覚めると譲琉はもういなかった。


ここのところ、毎日来ては爽築と過ごしていたのに。



「バイトでも入ったのかしら?」



枕元の机の上に置かれていたメモには何故か、また後で、の文字。



「もう少しだけ…」



護衛の件で喝宥と揉めてから数日、仕事中は気を遣いすぎて、帰ってからも気になってあまり眠れていない。


譲琉がいれば朝食の準備でもするのだが、いないのでメモの意味も考えることなく二度寝を決めた。



狩人はララバイを奏でる。



「どうすりゃいい…」



護衛を断られて為す術無く、かといってこういう事に頭が回る克治に相談も出来ず。


爽築に見付からない程度の距離から護衛というか、張り込みにすらならない距離だがあれからの日課だ。



Ready or not?(もういいかい?)
網を張って策を講じるは



「これでよし。」



Here i come(探しに行くよ)
此度の謀(ハカリゴト)



「行きますか。」



I see you(見ぃつけた)
全ては姉の御ために



「初めまして、お兄さん。」



ツ·カ·マ·エ·タ。
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