プルシアンブルー“俺が守る”
「監視カメラの解析の結果、重要人物が判明しました。」


「この男です。」



左隈と岐微浜が追う、梺屓賤恭が置き引きした酒を買い毒を盛ったであろう人物の写真だ。


映像が不鮮明で解析に時間がかかったが、男の容姿は鮮明に判別出来るまでになった。



「よくやった。聞き込みは?」


「今のところ成果はなにも。店員もただ若い男としか。」


「中肉中背。典型的な記憶に残らない普通の男ですね。」



記憶に残らなかったのは、その男が怪しげではなく人懐っこい笑顔を見せ普通を装っていたからだ。



「(……この顔どこかで…)」


「どうかしたの?難しい顔して。」



写真を睨み付けるように、克治は眉間にシワを寄せている。



「ん?ああ…、こいつの顔」


「課長!大変です!大変なんです!」



「栃元、大変だけじゃ分からないだろう!」



「どうしたんですか?」



栃元を注意するものの、普段声を荒げない矛桶まで焦ったように言うものだから、岐微浜は思わず声が裏返る。



「氏家縊頗を呼び出した貸別荘の借り主、業者に聞き取りして書いた似顔絵にそっくりの人物が」


「いたんですよ!この中に!」
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