TUBASA ~つばさ~
「こ、ここを?」


「早く、誰か来たらやばいから」


斗馬の言葉にせかされて、私は慌てて有刺鉄線をくぐる。

後から斗馬が続く。


岩場は波しぶきでかなり濡れていた。




「滑るから気をつけて」


斗馬の手が私の手を取る。




ドキっ。



一瞬、わけがわからなくなった。


大きくて暖かい彼の手に引かれて不安定な岩場を進む。



心臓が飛び出そう。


息するのってこんなに意識するっけ?


凛子に『手ぇつないだくらいで』って笑われそうだけど、
私はこんな経験初めてだから。


たかが、手....でも嬉しかった。




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