辛 恋

佳奈···side

大翔から、何度も離婚の話がくる。
煩わしい・・・
私は、私の人生の全てを
大翔の父、翔秋(はるあき)に
捧げてきた。

奥さんがいるのに
私を愛人にして
奥さんは、私と一緒になれば
いいと、何度も言ってくれたが
翔秋は、世間体が悪いからと
奥さんと別れず
奥さんは、とうとう
心を壊してしまった。

翔秋は、自分のせいで
私の人生を取り上げてしまったと
自分がなくなる前には
私を息子の大翔の籍にいれて
この先も困らないようにして
くれたが・・・

大翔にも、奥さんにも
悪いとは、思っていたが
翔秋が、私のことを1番に考えて
くれることが嬉しかった。

大翔は、籍をいれたことに
かなり怒ったが
翔秋に母親をおい出すと
言われて、渋々受け入れるしか
なかった。

そのかわり、
一緒に暮らさない
お互いに干渉しない
母親にも干渉しない
と、言う約束を交わした。

だが、今の楽な生活を
打ち切られる事になるのは、
断じてさけたい。

離婚の話は
何度も避け、家庭裁判所からの
呼び出しもさけていた

だが、追い詰められて
大翔の女の会社やネットに中傷記事を
だし、別れたらいいと思っていたが
大翔に怒鳴られて
本気で私の居場所はなくなると
思い打ち消した。

それでも、離婚の話が進みそうで
私は、
手を出しては、いけない
大翔の母親・翔秋の妻のゆきさんに
会いに行ったりした。

ゆきさんは、私の顔を見ると
怯えた顔をして、泣くから
施設の人から追い出されて
大翔に連絡された。



それから、大翔から
しばらく連絡がなかったから
ホッとしていたら・・・
いきなり、弁護士がやってきて
「このマンションは、あなたの名義に
成ります。それにあなたのもつ預貯金も
こちらは関知しません。
ですが、進藤の会社の貴方の持ち株は
もう意味をもちません。

進藤は、自社を潰しましたから。
今後いっさい、貴方は進藤にも
ゆきさんにも接触はできません。

不服なら、裁判で戦いますが
貴方に勝ち目はありませんよ。
ゆきさんへの嫌がらせや
浪費ぐせと・・・
貴方の落ち度が多すぎます。」
て、言われて

預貯金は、あまりないが
マンションだけでも貰えたらから良い
と、思い。
離婚届けにサインをした。

ただ、大翔は会社を手放して
大丈夫なのかと・・・
だが、私は大翔に会うことは
なかった。

私自身、マンションを売って
やり直しをしようと考えた。
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