勘違いも捨てたもんじゃない


…いや〜。…一体いつ眠ったんだろう。武蔵さんが帰って…。そのままの格好で枕を抱いて寝てしまっていたようだ。はぁ。昨夜の事、…よく覚えて無い。何度も大丈夫かって聞いてくれた事だけは覚えている。…。朝はやっぱり言葉遣いも柔らかめだった気がする。…色っぽい朝だったけど。はぁ、思い出したらドキドキする。…ドキドキドキドキって、いい歳をして乙女かって…はぁ。

…あ、メール…。そんなに急ぐ事でも無いかな。普通に聞ける事が時間が無くなっただけだもの。歳も?武蔵さん、同じくらいかな…。だといいんだけど。綺麗な…鍛えてある身体といい…若そう…。もう少し寝てからにしようかな。あ、でも、武蔵さんは当たり前に休日も仕事モードなんだよね。そう思うと、私もダラダラしてるなんてね。…駄目よね。でも…ちょっとだけ、寝よう。だって、寝不足だし。無理に起きても、結局ウトウトしてしまうならしっかり寝て起きた方がいい。


う〜ん、はぁぁ。…さすがに寝過ぎたかしら。
ちょっとのつもりがぐっすり昼前まで寝てしまった。取り敢えず起きなきゃ。シャワーを浴びよう。…身体に残るモノ。感触も。身体の芯…熱を帯びているようだ…はぁ……。

珈琲を入れた。取り敢えず、一口…はぁ。
トーストする。適当な野菜で多めのサラダを作った。いや、これは作ったという代物では…。洗ってちぎって盛っただけ。オムレツを焼いた。バターたっぷりにトマトを刻んで入れて焼いた。よし、こんなもの。また三時くらいにお腹に何か足すから。

携帯…。知らせないと…。
あ、武蔵さんからメールが来ていた。
ちゃんと誕生日と年齢が書かれてあった。
誕生日、近い。歳は同じだった。34歳。んー、お互い厄介な年齢かな…。男の人はこれから益々いい年齢。女は色々…難しくなる年齢。この歳で同じ歳っていうのは、つき合い方、関係をややこしくさせないかな…。

話したい事が沢山あるようで、でも一緒に居られたら結局それだけで良くて。何だかこれってどうなんだろう。昨夜…、思い出してみれば、言われるままに、変態みたいな事をして…あれはもしかして、武蔵さんに翻弄されただけじゃないの?結果、…抵抗無くできてしまったんだけど。……お陰なのかな…。
…された事、やってみろって言ったのは、するためだったのかな…。結果は別として、解放してくれるためにしてくれたのよね。
…あー。夜のコトは昼間考えるモノではない。
素ではなかったにせよ…内股なんか撫でちゃったし。男の人にあんな事するなんて…恥ずかしいじゃない、もう。だけど、やれって言ったのは武蔵さんだし。 …胸だって…、解ってたとは思うけど、本当ならもっと…色々いやらしくされてたんだから…。はぁ、もー、嫌ー!…。せっかく忘れていたのに考えて思い出したくない。…武蔵さんと初めてのコトだったのに…。
しろと言われて、してしまった事が……何だか普通じゃないみたいで恥ずかしい…。変な風に思われなかっただろうか。
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