ふたりで
「もう、授業は終わったか?」
と聞くこーちゃんに、
「うん、今日は終わりだよ。こーちゃんは?」
と答えると、
「俺も終わった。どうだ、これからコーヒー飲みに行かないか?」



と、連れてこられたのは、大学構内の小さな部屋だった。
「ここは、何するところ?」
と聞くと、
「俺の所属しているサークル。今、おいしいコーヒーいれてやるから、ちょっとまってて。
先輩方にコーヒー好きが多くてさ、みんなでお金を出しあって、コーヒーメーカー買ったんだって 。お陰様で、後輩たちがその恩恵にあずかっているったわけ。」


そうなんだ。でも、無関係の私が、その恩恵にあずかっていいのかなあ? ちょっと心配になった。

「ねぇ、私がコーヒーを飲ませてもらっていいの?」
と、聞く。
「それに、このサークルって、何サークル?」
と重ねて、聞く。

「何サークルだと思う?当ててみてよ。」
と、こーちゃんが、またクイズ形式で聞いてくる。
「こーちゃんって、クイズ好きだよね。」



「ほら、コーヒーが入ったよ。飲みながら考えて。」
と、いい薫りのコーヒーカップを手渡された。

私は、
「ありがとう!」
と受け取りながら、回りを見回した。
キョロキョロする私を、楽しそうに見て、こーちゃんも自分のコーヒーを飲み始めた。

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