ふたりで

俺の思い2


サークルの部屋で真愛と話してから 俺は真愛と会わないようにした。わざとだ。俺は真愛をどうしても手に入れたかった。
押した後は、引くに限る。それが、攻めのポイントだ。

毎日見かけていたのに見なくなると、気になるものだ。そして、気持ちが深くなるだろう。
そう、俺は、真愛ゲットプランを実行に移したのだ。

そんな俺を見て、啓太が、
「楽しそうだな! 会えなくて寂しいならわかるが、どうしたんだ?」
て問いかけてきた。

「まあ、見てろよ。今に、真愛の気持ちがこっちに向かってくるから。」
て答えると、
「作戦なんだな。さすが、サッカーで戦略リーダーだっただけのことがある。報告を楽しみにしてるよ。」

俺は、プランをたてて実行するのが、好きだ。俺の人生プランに 真愛のことも、もちろん入れてある。


「津山には、まだ秘密に頼むな。聞かれたら幼なじみとだけ言ってくれていいから。」
と、両手をあわせて拝むように頼む。

「わかった。うまくごまかすよ。なにしろ、さやかは、お前と瀬川をくっつけたくて、仕方がないんだ。きっと、夏休みには、何かしら計画してくるぞ。あまり俺が、協力しないから、俺にも内緒で、瀬川と相談してそうだ。」
と、啓太は、不吉なことを言い出した。

「やめてくれよ。そんなのごめん被りたいよ。」
と、大きな溜め息をつきながら、啓太に言うと、啓太は、
「だから、夏休み前に、なんとか真愛ちゃんをゲットしてしまえよ!幸大。」
< 17 / 90 >

この作品をシェア

pagetop