ふたりで

彼の思い3


俺は、真愛ゲットプランを順調に実行していた。
まず真愛に俺の存在を意識させ、両親とも親しくなり、親友に紹介され、真愛の気持ちも、この間『もう少しかな』と言われた。
このまま進めば、夏休みは晴れて彼氏彼女になっているだろう。


しかし、最近、真愛を見つめる男子学生が数人いることに、気付いた。
入学してから、男の影がなければ、狙ってくる奴が現れるのは、仕方がないか。
しかも、真愛は結構可愛いほうだ。美人と言うわけではないが、育ちの良さが全体から出ている。笑い方がとても優しい雰囲気で、回りをホッとさせてくれる。安心して傍に居られる要素が、満載なのである。
絶対に他の奴になど、渡せるものか!

俺は、大学構内でも真愛に接触する機会があれば、真愛の隣には俺という存在があることをアピールしてみた。

真愛は、戸惑っている様子だが、止めるわけにはいかない。真愛は、女の子の怖さについて言っていた。真愛さえ、はっきり気持ちを決めてくれれば、解決するだろうに。

俺は、夏休み前にはと、ちょっと焦っていたのもあり、真愛の心配を軽く考えていた。
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