ふたりで

コーヒーショップは、いつものように若いカップルでにぎわっていた。私たちもカップルのように見られているのかが気になった。
周りのカップルのように、熱々な雰囲気が全くない。まあ、どう見られてもいいけど。

「何飲む?」
彼が、聞いてきた。私は、
「自分でたのむから、いいよ。」
と答えると、
「席、確保しておいて。俺が買ってくるから」

「じゃあ、カフェオレお願い。」
と、頼むことにした。後で、払えばいいよね。

彼が、買っている間、窓際のスタンドが二つ空いているのを見つけた。座って待っていると、デリバリー用のカップを二つ持った彼が隣に座ってきた。

「持ち帰りできるほうが、いいだろう。」
どういう心遣いか、気が利くのだろうなあと、彼を分析してみた。

さあ、これから彼に関する情報を見つけ出さねばと、私は、意気込んでいた。
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