ふたりで

それから、なかなか前のように自然には振る舞えなくて、長い時間一緒にいることに、少し苦しさを感じているのは、私だけではないと思う。

次のふたりが休みの日に、ちょっと遠出をしようとこーちゃんが言ってきた。

私は、気持ちが盛り上がるように、桜色のアンサンブルと淡いベージュのフレアスカートを着た。

迎えにきたのは、こーちゃんだけでなく、大人になったまー君と、髪の長いとてもきれいな彼女も一緒だった。

「いやー、真愛、久しぶり。幸大から真愛のこと聞いて、ずっと会いたかったんだ。幸大に連絡したら、今日ふたりで出かけるって聞いて、
お邪魔しにきた。こっちは、俺の彼女。」

えへん、と威張るように、まー君は彼女の肩に手を置いた。

「桜です。一応、真大の彼女やってまーす。」

桜さんは、爽やかで、笑顔に透明感のある人だった。

「まー君、本当にあのまー君?なんかすっかりかっこよくなって、別人みたい。何処かで会っても、きっとわからないだろうね。」


これから、4人でまー君の車で、ドライブすることになるらしい。

こーちゃんが、
「真愛、悪い。昨日兄貴が急に言い出して、今日は付き合ってやって。」

「うん、いいよ。」
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