夕星の下、僕らは嘘をつく
そういうところ嫌いじゃないよ。
 

ふと、そんなフレーズを思い出した。
一ノ瀬くんならぬ人見浪だ。

軽くて、軟派な台詞。
少女漫画でイケメンが言っていたってときめかないようなやつ。

他人に受け入れてもらうって、他人に必要としてもらうって、もしかしたら人生のうちにごく僅かしかないのかもしれない。
 

強く風が吹いた、気がした。

もちろん思い過ごしだ。
ここは部屋のなかで、エアコンはついているけれど、感じるほどの風はない。

それでも私は頬に風を受ける。
そして鴨居にかけていたコートのポケットから、あの包み紙を出した。
 

なにもできないくせに、と言うならば、やってやる。


【試し読み終わり】
< 36 / 36 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:40

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

瑠璃の羊
八谷紬/著

総文字数/69,447

青春・友情187ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
いままで生きてきて 良かったことなんてあるだろうか このさき生きていって 充足感なんて得られるんだろうか そんなのわからない わからないなら、知りたい ねえ すべて偽もの すべて嘘つき だから、わたしと恋をして 2012.6.18-10.4 Photo by Casey Horner on Unsplash
戦国サイダー
八谷紬/著

総文字数/183,618

恋愛(純愛)495ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
アイスクリームを乗せてしまおう   氷いっぱいのグラスに 音がするぐらい勢いよく注いで 大きな大きなスプーンで バニラアイスをめいっぱいすくって その炭酸が空に消えないように だらしないぐらい、甘く、甘くなるように *-*-*-*-*-*-*-*-* 人生最悪の拾いものは 「世話を頼む、というか、しろ」 戦国武将でした 俺様戦国武将 × 下僕女子高生 ひと夏の恋、一生ものの恋 2009.4.13→2009.7.24
京都あやかし絵師の癒し帖
八谷紬/著

総文字数/36,813

青春・友情30ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
芸大生の椿は、同期生の紫苑に怪我をさせてしまったことから、とある仕事を依頼される。 それは妖の肖像画を描くことだったのだが、ただ“描くだけ”ではなかった。 平凡ながらも絵を描くことが好きで芸大に入った如月椿と 天才的に絵がうまいのに無愛想で人を寄せ付けない三日月紫苑。 そして彼らを支える美丈夫でつかみ所のない雲母と大食いで殿様アリスな薊。 彼らが請け負う仕事の中身とは…… 一話完結型 京都のとある狭間で繰り広げられる物語。 ---------- 2017年6月28日発売 『京都あやかし絵師の癒し帖』試し読み版です。 一話目が全て読めますが、書籍はこれに大幅訂正を加えてあります。 書籍にはない場面もありますので、おまけのようにお楽しみください。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop