プラネタリウム
新たな道
目の前には卒業の文字…。

思い起こせば色々あった。

春に通学路で北斗に会って恋をして…

恋をするって幸せな事だと知った。

結局は裏切られたけど…今となってはそれも経験の一つ。


りことよくケンカした学校の廊下。


教室から眺めていた景色。


放課後の静かな教室。


隣の席だったたまきちゃんにはよく笑わせてもらった。


体育館に響く靴の音。


野球の球がバットにあたる音。


賑やかな学祭。


背中に鉛を背負っているような気分になるテスト期間。


かわいい制服。


楽しい事ばかりじゃない。

そんなの当たり前。

だけど一瞬一瞬がキラキラしている。

涙の日の事も全てが眩しい。


私はこの3年間で少しは成長できましたか?

自分に問いかける…。

私は…少しは成長できたと思います。

友達の大切さに気づけた。

恋とは愛しいものだと知った。

一人ではどれもできない事。


だからこそ価値がある。


私…頑張るね…

大翔…見ててね…


卒業式が終わって帰ろうとした時、北斗に呼ばれて私は振り返った。


「お互い…卒業おめでとう」と…。


北斗…見えてしまったよ…私があげたブレスレット何でつけてるの?


聞かない…というより聞く必要がない。

おしゃれとして使ってもらえているんだったらそれはそれでいい。


「あかね…頑張れよ」と北斗。

「北斗もね…さよなら」と私。


あんなに好きだった北斗は私にとっては友達ともそれ以下でもない…。


学校生活にさよなら…


ありがとう…
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